あなたは、ルネサスエレクトロニクスという半導体メーカーを知ってますか?
まさにサラリーマンの悲哀、責任回避、トカゲのしっぽ切りを体現したような会社です。

ルネサスエレクトロニクス(英語: Renesas Electronics)は、東京都江東区に本社、川崎市中原区に本店を置く大手半導体メーカー。三菱電機および日立製作所から分社化していたルネサステクノロジと、NECから分社化していたNECエレクトロニクスの経営統合によって、2010年4月に設立された。

三菱電機、日立、NECの経営に失敗した半導体事業を切り離して、身軽になるために設立した会社がルネサスエレクトロニクスです。
大手電機メーカーが大量の人員とカネをつぎ込んで大失敗したなれの果て。

そもそも半導体事業は、毎年数千億円の設備投資が必要な装置産業です。半導体大手Intelの2016年設備投資額は約1兆円にも上ります。
三菱電機、日立、NECにはこの負担に耐えうる体力はなく、競争力はどんどん落ちてじり貧になりました。

ルネサスには、大手電機メーカーから大量の出向者がおくりこまれました。
ルネサスエレクトロニクスの設立及びその後の業績不振によって、出向者の人生は泥沼にはまっていきました。

知り合いのルネサスへの出向者のその後を紹介します。

A(35歳)男性
ルネサスエレクトロニクスのリストラに伴い、出向元の大手電機メーカー系列子会社(支店)に戻りました。でも、その子会社(支店)は従業員たった6名で仕事もない場所。毎日出社しても、やることは昼寝。

本人は「ルネサスにさえ出向しなければこんなこんなことにならなかったのに。経営陣の失敗のつけをなんで自分が背負わなきゃならないんだ」と嘆いていました。

ぼくは「ぎりぎり35歳だし、転職しちゃえば」と言ったけど、この方は嫁と子供2人がいて、住宅ローンが3,500万円も残っているので転職に踏み切れないんだそうな。

働き盛りで仕事の能力を高める時期なのに、結局3年間待機生活。その後は、無事というか親会社の地方工場事務職として頑張っています。

だけど、会社の本流からは外れてしまったので、管理職にもなれず一生地方で定年まで過ごすことになるんだそうな。

大企業の正社員だと出向は避けられないよね。でも、経営失敗の後始末のために設立した会社へ送られるって辛すぎることだよね。まさにえん罪で刑務所の監獄に入れられてしまうようなもの。

日頃からこういう事態をみこしてスキルアップや転職のことを真剣に考えておかないと、他人の失敗にもてあそばれて生きてゆくはめになります。

ぼくは、転職の予定はなくても職務経歴書をアップデートして、最低年1回は転職エージェントと面談しています。キャリアの棚卸にもなるし、自分の人生を生きるために必須だよ。



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